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アルツハイマー病について

体験学習イメージ

・初期には、少し前の記憶がなくなるもの忘れが現れる

『アルツハイマー病』では、『もの忘れ』が特徴的な症状として現れます。アルツハイマー病は認知症の原因となる病気の中で最も多く、約半分を占めているとも言われています。

症状は『記憶障害』から始まりますが、次第に日常的な動作ができなくなり、進行すると話すことも歩くことも困難になります。ねたきりになって『肺炎』などの合併症を起こして命にかかわることもあります。

 

・症状

記憶障害や遂行機能障害などが徐々に進んでいく。進行の段階によって異なる症状が現れます。『軽度』『中等度』『高度』の3段階に分けられます。

『軽度の段階の主な症状』

少し前の出来事を脳にメモしておくような機能が損なわれ、記憶障害が現れるようになります。そのため、同じ質問を何度も繰り返したり、物をどこかに置き忘れたり、約束したこと自体を忘れたりします。また、年月日があやふやになってきます。このような症状のため、働いている人では、失敗を繰り返して仕事に支障を来すようになります。

 

『中等度の段階の主な症状』

自分のいる場所が分からなくなるため、初めは家から遠い場所で道に迷うようになり、次第に近所でも迷うようになります。また、1人での買い物や、季節に合った衣装を選ぶことができなくなります。入浴することを忘れ、何日も入浴しないというようなことも起こります。自動車の運転も危なくなります。感情の起伏が激しくなって、大声を出したり、睡眠障害が起こったりします。

 

『高度の段階の主な症状』

人物が分からなくなって、夫や妻、自分の子供も分からなくなります。目的をもった行動がとれなくなるため、衣類をきちんと着たり、入浴時に体を洗ったり、排便後にきちんと拭いたりすることができなくなります。トイレの場所も分からなくなり、尿や便の失禁が生じます。言葉が失われていき、使える言葉が減ってきます。歩行能力も低下して、寝たきりになることもあります。

編集人 池上晴之,『NHKきょうの健康 認知症』,NHK出版,2011年出版,32-34貢